2016年2月29日月曜日

ドイツのキャベツによる洗礼を受ける~ヴァイスコールにご用心~

妻の好きな料理の1つに、ロールキャベツがあります。

実はこれまでの人生で1度も作ったことがないのですが、
なんとなくそんな気分になったのでやってみようと思いました。

トマトソースが既にストックしてありますので、
(過去記事「基本のトマトソースの作り方」です)

今回はトマトベースのスープにします。


肝心の巻き方は色々と調べました。準備万端です。
では早速キャベツを茹でていきましょう。



先にキャベツをはがしたかったのですが、
みっちり丸まっているので茹でながらはがすことにします。

結構詰まってて重量感もあり。



6枚くらいで十分ですかね。
無事にきれいにはがれました。

このまま熱湯で数十秒ほどで軟らかくなるので、
えー、軟らかくなったらですね、、あれ?
もう少しですかね、おそらく数分で軟らかくなるので、
えー、軟らかく、、


ならない。


ばっちりパツンパツンに張っています。
端を少し食べてみると、なんだかかんぴょうみたいな歯ごたえ。
色は透き通ってきていい感じなのですけれど。

嫌な予感は隠しきれませんが、仕方なくもう少し茹でてみることに。


そして約10分後。



ようやく巻けるかなーという軟らかさになったので取り出すも、
繊維の結合が弱くビリビリ裂けてしまいます。


あぁ。これはアカン。


薄々気付いていたことでしたが、確信に変わりました。
このキャベツはだめだ。



独り呆然と立ちつくし、2分後。





あとでスープに入れて食べよう。


事態は収束へと向かいました。

そして原因の究明を急ぎます。


このキャベツ、名を「ヴァイスコール」といいます。
ヴァイスは白、コールはキャベツ。
つまり白キャベツという意味。まんまですね。

調べてみると、実は悪名高い奴だと判明。
「煮ても焼いても食えない」とも言われ、
私と同じような被害者もちらほら居るようで。


ドイツで有名なザワークラウトは、このキャベツを使うんですね。
確かに、普通の調理法では食べられませんから、
茹でて発酵させてといった行程が必要なのでしょう。


話は脱線しますが、日本の野菜や果物はとても恵まれていると思います。
生で食べられるものが多いのも、それだけみずみずしいということ。

加えて、ちゃんと甘味や適切な酸味があったり、
品種改良も進められて、もはやこれ以上の要求はないですよね。

ヨーロッパの特にドイツのような気候的に作物の栽培に向かない地域では、
伝統的に何でも生食というわけにはいかなかったでしょう。

しかしだからこそ、よりおいしく食べられるように調理法が発達してきたともいえます。
ジャムなんかもそうではないかと思いますが、
日本で売られてる美味しい果物をジャムにするのは私は少々もったいない気がしてしまいます。
もちろん作ることもありますが、元々の価値を堪能できないことに気が引けるというか。

しかし、そのまま食べてもイマイチなものを、
砂糖と煮詰めて美味しいものにすることは納得できますよね。

どっちが良い悪いということでなく、与えられた条件下で最善を目指す。
料理だけでなくどの分野も共通するかもしれませんが、
そういう姿勢が物事を洗練していくのでしょう。


なんかそれらしいことをつらつらと偉そうに言ってますが、
要するに食材の知識不足でロールキャベツ失敗しましたという話です。

とはいっても諦めるわけではありません。ドイツには別のキャベツが存在するのです。
その名も「シュピッツコール」。


とんがり頭のナイスガイです。

次回、ロールキャベツのリベンジ篇をお楽しみに。

2016年2月16日火曜日

ドイツ3大カーニバルの1つ、ケルンでパレードを楽しむ

ライン川のほとりに栄えるドイツ第4の都市、ケルン。
ここでは毎年11月から2月にかけてカーニバルが開催されます。

ケルン・カーニバル公式サイト
ケルン・カーニバル公式サイト(http://www.koelnerkarneval.de/

そして2016年2月8日は、仮装パレードがクライマックスを迎える日。
せっかくドイツに居るのだから、名物は堪能したい。

正直なところ、日本人にとってはドイツ人が
一体何のために盛り上がっているのかピンとこないと思いますが、
細かいことは気にせず受け入れるのが大和魂。


ということで、ベルリンからケルンへ飛びました。

アイルランドの格安航空会社、ライアンエアーに搭乗
アイルランド国籍の格安航空会社、ライアンエアー

移動時間の短縮のため、利用したのは飛行機。
片道1時間ちょっとで着いてしまいます。

おなじみのスカイスキャナーで航空券を探すと、
日付や時間帯によって10~50ユーロで購入できることが分かりました。
うまくやれば、ベルリン⇔ケルン間で1人往復20ユーロも可能ですよ。

私たちの場合は、カーニバルの日程や仕事の都合を考慮した結果、
1人あたり50ユーロで往復となりました。
まぁまぁだと思います。

ケルン・メッセ駅
ホテル近くのケルン・メッセ駅

天気予報では終日雨だったのですが、
午前中で雨が上がるとなんとか天気は持ちこたえました。

パレードが行われる中心地の駅(Heumarkt)に着いたのが11時頃。
すでに様々な衣装をまとった人びとで溢れかえっていました。

老いも若いも関係なし、
むしろ普通の服の人があまりいません。

たくさんの仮装とすれ違って歩いていくと、
なにか違和感を抱かずにはいられませんでした。

ほどなくして気付いたその違和感の正体は、彼らが醸し出す雰囲気。

日本みたいに「仮装してます♪」感が全くないんです。

お兄さんもおばさんもお爺ちゃんも、


真顔。


あたかも普段着をまとっているかのように、
当然だろって顔で歩いています。

「さすがカーニバルの街やわぁ」
と感心。


1つ私は大きな勘違いをしていたのですが、
これは観衆がただ仮装したパレードを眺めるイベントなどではなく、
街中のすべての人が仮装して騒ぐイベントなのでした。

ちょっとした観光気分で行った私服の私たちは、明らかに浮いている。
この日この街で私服の人類など絶滅危惧種です。

がっつり仮装してくるべきだった。
後悔とともに変な闘争心が湧いてきます。

何も用意はないけど、なんとしても一緒に楽しみたい。混じりたい。
ということで、次善の策として急きょ顔にメイクを施すことに。

ちょっとしたことでいいんです。
動物っぽい鼻やヒゲ、眉毛を増やしてみたり目を特徴的にしたり。
ケルンの人びとの仮装は、はっきり言ってクオリティ高くないです。
ただカツラをかぶったり、着ぐるみ着たりだけも多い。
手作りっぽい衣装も、日本のハロウィンを見慣れていたらなんてことありません。

しかしそんなのは何だっていいんです。大事なのは一体感。

特に年配の人たちが当たり前のように仮装しているのを目の当たりにして、
伝統が持つ力強さを実感しました。

空気を肌で感じる、とはまさにこのことです。
こればっかりは写真では分かりませんね。とにかくすごいです。

ケルンのパレードの様子

そしていざパレードが始まると、
次々と独特な人形や装飾を乗せた車がまわってきます。

ケルンのパレードの様子

このちょいダサ感、いかにもドイツっぽくていいですねぇ。

褒めてます。


伝統的な衣装はやっぱりいいですね

観衆はパレードの行列に向かって

「カメレー!!」

と叫びます。これは「お菓子くれ!!」というメッセージです。



車の上からお菓子を投げる投げる。


ちっちゃな子も一生懸命投げる。


これを観衆が一生懸命キャッチするわけです。

パレードからのお菓子を狙う子供
頭脳派の子供たち
沿道の建物の窓にもたくさんの見物人。
傘を逆さにして待ち構えるのも地元じゃ基本テクニックです。


お花は投げずに手渡し。


みんな幸せそうな表情です。


パレードカーが去ると、あたりはゴミのようなお菓子で溢れます。
特に道幅が広いところだと、子供が投げても観衆に届きません。健気。


こちらはうつむくフォルクスワーゲン(笑)


時事風刺ネタも定番のようです。







なぜかと理由を説明するのも難しいのですが、
パレードはすっごく楽しかったです。

そこでは誰もが主役でした。



私たちはパレードもそこそこに引き上げ、
ケルンのビールを飲みに何軒か巡りました。

こちらは今回の戦利品。
ちょっと食べてしまいましたが、なかには結構なサイズのものも。


大きめのチョコレートの箱がおじさんの頭に直撃した時には、
さすがに一瞬ヒヤリとしました。

でも笑っていたので大丈夫でしょう。その箱はありがたく頂戴しました。


パレードはここを訪れないと間違いなく味わえない楽しみでした。
まだの人も来年はぜひ遊びにいってはいかがでしょうか。



参考になるか分かりませんが、参考までに。
ケルンのカーニバル観衆の仮装比率(独断):
それっぽい衣装  27%
着ぐるみ        23%
変なカツラ      21%
キャラコスプレ    19%
警察・FBI系       7%
私服             3%

キャラクターものはマリオやダースベイダー、
ドラゴンボールの孫悟空などなど様々でした。

悟空は金髪しかいなかったですね。来年あたりはゴッドの青髪が登場するでしょうか。

コスプレ好きな人はドイツで注目の的になれますのでオススメです。
日本人のそれはクオリティが高いですから、見せつけてきてください。

そして私たちの無念を晴らしてください。